石炭とは?

石炭ができるまで

石炭の元になるのは、数億年前に生息していた植物です。倒れて積み重なった植物が、完全に腐敗する前に地中に埋もれ、「泥炭」となります。やがてそれが、長い年月の間に炭化し、石炭となりました。

一説には1mの石炭の層ができるためには、10mの植物の積み重ねが必要だと言われています。

日本の石炭の元になったのは、今から約5千万年前、新生代古第三紀に密生していたメタセコイアなどの樹木です。

現在の使われている石炭

石炭は、炊事や暖房の燃料として家庭内でも使用されていました。また、蒸気機関車(SL)の燃料やナイロンなど化学工業製品の原料としても重要な役割を果たしていました。

これらの役割の多くが石油に転換してからは、日常生活で石炭を目にすることはほとんどなくなりましたが、現在でも発電や製鉄に使用され、非常に重要なエネルギー源であることには変わりありません。

火力発電所では、一般炭が用いられ、石炭で水を熱して発生した蒸気の力で発電しています。発電電力量の構成は、石炭・原子力・ガスが各々1/4ずつとなっており、石炭(約25%)は石油(約13%)の倍近くあります。

製鉄所では、高炉という巨大な筒状の装置で、鉄鉱石の中にある鉄分を取り出すために還元(酸素を取り除く)反応をさせ、各種製品の原料となる銑鉄を作ります。この工程で、原料炭を蒸し焼きにしたコークスは不可欠な存在です。

実は、現在日本は世界一の石炭輸入国なのです。約6千万トンの原料炭と約1億2千万トンの一般炭を輸入しています。輸入先は、オーストラリアが最大で全体の約2/3、その他はインドネシア・中国などからです。